心理療法の設定について

2018年03月15日

心理療法の設定の持つ意味について考えてみます。

 

 心理療法における設定について考えてみます。ただし、様々な捉え方があり、ここに書いてあることは様々な捉え方の一つのものです。

 

部屋

 決まった部屋を毎回使います。様々な捉え方がありますが、部屋はこころの世界を表します。そのこころの世界である部屋が毎回違うようだと、こころの世界は不安定なものとなり収まりがつきにくくなります。そのため、部屋は毎回同じです。さらに、家具の配置を変えることも極力しません。また、心理療法士自身もこころの世界にあるものです。そのため、心理療法士が面接室外で関わることはこころの世界を扱う上では望ましくないかと思います。さらに言うと、服装が毎回同じ心理療法士もいます。プレイセラピーであれば、作成した絵などを面接室から持ち出すことをしません。

 

時間

 時間は一回45から50分が設定されることが多いです。一回の時間を定めることで、この時間の持つ意味を転移の文脈から考えます。例えば、面接開始が近づくことによる反応、終了が近づくことによる反応があります。これらと転移の関係を探ります。

 心理療法の週の回数はそれぞれに応じて違います。週1回からが一般的ですが、週複数回になるほど転移がより濃く現れると一般的に言われているようです。毎日会う人との関係が深くなるのと近いことだと思います。ただし、心理療法士はあくまでクライエントの世界を体験するのであり、心理療法士の個人的な話をして交流するのではないという点が違います。また、週複数回の場合でも、連日にしたり、時間をできるだけ同じにすることがあるようです。

 

休み

 心理療法士がいなくなることがクライエントの世界にどのような影響が出るかを丁寧に考えるために、休みは慎重に導入されます。一年の中でも休みの時期を大まかに決めておくことがあります。

 

態度

 態度は中立的なものが一般的かと思います。心理療法士はどのような転移を受けるか分かりません。それは、穏やかな人かもしれませんし、迫害的な人かもしれません。どのような転移をも引き受けられるよう配慮します。そのために、心理療法士の年齢などの個人情報を開示することはありません。もしかすると、全身を覆う服装をした方が心理療法の転移としては良いのかもしれません(真面目な意見です)。

 

料金

 有料と無料があります。有料の方がクライエントの主体的な心理療法への取り組みが期待されるために、良いという意見があるようです。

 

 以上、様々な捉え方の一つを書きました。様々な捉え方に触れることでの発見があるので、これらに捉われることなく、違う考え方の人の意見を参考にするなど、設定の意味を考えて続けていくことが良いかと思います。


 


心理療法 設定
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