臨床心理系大学院の選び方
臨床心理系大学院はどのように選べば良いか考えてみます。

臨床心理系大学院を選ぶ際、どのように選べば良いでしょうか。大学院でそれぞれが重視する要素によって違いますが、ポイントとしていくつかあります。
学内実習機関で継続したケースを何件持てるか
学内実習機関に何人のクライエントが月に来て、ケースを何件持てるかを尋ねた方が良いです。地域によってはクライエントの確保が困難で、個人心理療法の機会が乏しいことがあります。しかし、個人心理療法をまともに経験できる場所は、修了するとほとんどありません。学内実習機関ほどに恵まれた場所はほとんどないのです。そのため、学内実習で多くの経験を積んでおくことが望ましいです。修了後にしっかり個人心理療法をしておきたかったと思っても戻ることは困難です。
近くで心理療法やスーパーヴィジョン、セミナーを受けられる環境か
例えば、地方の大学院では個人的に心理療法やスーパーヴィジョンを受けようと思っても近くに見つからないかもしれません。スーパーヴィジョン自体はもちろん大学院でも受けられますが、もしかすると希望のアプローチのSV は受けられないかもしれません。心理療法についても大学の学生相談室で受けられるかもしれませんが、アプローチが限られていることや学生相談室の自治の程度を確認する必要があるかと思います。週複数回の心理療法を経験する場合、学生相談室で受け付けていることは稀ですし、開業心理療法室だとしても通う必要があります。可能であれば、いくつか開業心理療法室がある都市部の方が、スーパーヴィジョンや心理療法を受けやすいと言えます。加えて、セミナーなど研修の機会は都市の方が開催されており、交通費の出費を抑えることができるかと思います。
自分の希望するアプローチについての授業があるか
その大学院に自分の関心のあるアプローチ専門の先生がいなくても、教養として少しは授業で学べると思うかもしれませんが、実際は極僅かか、ない場合があるかもしれません。大学院という性質上、研究することが目的になり、心理士の養成側面がやや低い場合があることが原因かと思います。そのため、大学院に関心のあるアプローチの先生がいて授業で学べるか確認をした方が良いです。また、関心のあるアプローチの授業がない場合、関心を持つアプローチを学びたい学生が同期生の中で自分だけという可能性もあるでしょう。
自分が関心を持つ研究テーマに近い先生がいるか
修士過程の論文であればどのような分野の教授でも対応ができるかと思います。ただ、自分の希望する研究テーマの先生がいるかを確認しておくことで、より自分に合った時間を過ごすことができるかと思います。
(他大学院であれば)外部生を受け入れているか
大学と違う大学院に進む場合、外部生を受け入れているか確認しておかないと、無駄な宿泊費や受験料、時間を消費することになります。また、社会人の場合は仕事との両立が可能そうか事前に確認しておくことが望ましいかと思います。
ある程度学ぶ意欲の高い学生が集まる大学院か
ある程度学ぶ意欲の高い学生が集まる大学院であれば、地域からの評価が良く就職や転職がしやすいということが考えられます。ただし、これは希望する職種による違いがありますし、修了後何年か経つと業務経歴の方が評価を受けるかもしれません。
大学院での生活は将来の仕事にも繋がるとても貴重な時間です。より自分の希望に合った環境を選びましょう。